REPORT
墨田区×スタートアップ×ものづくり企業・区内大学による、プロトタイプ実証実験支援事業の成果報告会を開催しました!
25.05.06

墨田区×スタートアップ×ものづくり企業・区内大学による、プロトタイプ実証実験支援事業の成果報告会を開催しました!

 

墨田区が実施する、スタートアップ及び区内企業・大学が社会課題解決に取り組む「プロトタイプ実証実験支援事業」に令和4年度・令和5年度に採択された事業者が、SICにて成果報告会を実施いたしました。両年度採択事業者ともに、実証実験の成果及び今後の展望について発表をしました。発表後には交流会が行われ、登壇者が発表会出席者へ自社の製品・サービスをPRし交流を深めました。当日は総数70名以上が参加し、参加者からの積極的な質問がなされたり、積極的な交流が行われたりする有意義な会となりました。

 

 

第1部:成果発表会

第1部成果発表会の冒頭には、墨田区産業振興課担当者より、SICの概要及び機能説明を行いました。その後、令和4年度採択事業者と令和5年度採択事業者がそれぞれ5分間の発表を行い、コメンテーターからのフィードバック及び参加者からの質問を受けつけました。発表概要は以下の通りです。

 

 

【令和5年度採択事業者】

<一般社団法人Spice(実証テーマ:行政課題を解決するゲーム教材開発)>

一般社団法人Spice – 教育にスパイスを

教育学を専門とする千葉大学大学院生の学生により立ち上げられた一般社団法人Spiceは、千葉大学にて自然災害の避難行動に関する認知バイアスを研究している教授と共同で、小中高生の防災に関する意識変容・行動変容を促すワークショップを開発・提供をしました。防災に係るインプットのみならず、区内ものづくり企業に関するインプットを行い、より安全安心な避難所生活に必要なものづくりについて同時に考えました。その結果、防災への意識・理解の向上や地域への関心の向上等の結果を得ることができました。次年度実証では、参加者の意識変容にとどまらず、行動変容を促す教育プログラムの開発及び当該プログラムのビジネス検証を行う旨を発表しました。

 

 

 

<株式会社GATARI(実証テーマ:音声アトラクション等の活用による「すみだ北斎美術館」のインバウンド推進)>

GATARI Inc.|今までにないエンターテイメントから未来のインフラを作る

耳から始めるMRプラットフォームAuris(オーリス)を提供する株式会社GATARIは、MR技術を活用した多言語アトラクションをすみだ北斎美術館に導入し、新規ユーザーの誘客効果、北斎や浮世絵への関心度向上、美術館における継続性ある仕組みづくりを検証しました。すみだ北斎美術館ホワイエにて、北斎の足跡と題した北斎の絵画を見つつ作品にまつわるストーリーを届けるコンテンツを作成・来館者へ提供し、アンケートを実施しました。その結果、コンテンツ自体の満足度の高さのみならず、来館満足度や再訪意欲への好影響が確認されました。次年度実証では、よりMRコンテンツの体験範囲対象を拡張し、展示室及び美術品そのものへの解説等のコンテンツを追加し、収益性の向上等の検証を行う旨を発表しました。

 

 

 

<株式会社VALUECARE(実証テーマ:マッチングサービス等の活用による要配慮者に対する救護体制の充実)>

株式会社VALUECARE(バリューケア) | ECとIOTで介護にイノベーション

IoTデバイスを用いた高齢者の見守りサービスを開発する株式会社VALUECAREは、重度要配慮者を対象に、GPS搭載IoT端末×グループチャットサービスを活用した避難の有効性を検証しました。要配慮者の所属する町会の協力を得て、実際に要配慮者に当該サービスを利用しての避難訓練を実施。要配慮者からは当該サービスの導入により、避難時の安心感が向上した等のフィードバックを得ることができました。次年度実証では、要配慮者個別避難支援計画の作成段階のDX化アプリを作成し、当該避難サービスへ接続することで、要配慮者に対する防災サービスの充実を図る旨を発表しました。

 

 

<株式会社BAKUAGE(実証テーマ:エンタメやニュースポーツ等の活用によるユニバーサルなスポーツ環境の推進)>

トップページ – マイナー競技認知度爆上祭|イベント公式サイト

ニュースポーツの普及に取り組む株式会社BAKUAGEは、運動習慣のない層の運動習慣の定着を目指し、毎月ニュースポーツのイベントを実施しました。その結果、ニュースポーツが運動習慣のない層の運動継続に寄与する可能性が示唆されました。次年度実証では、運動習慣のない層の運動に関する内発的動機を促す外的環境の特定を目指し、法人向けニュースポーツ大会の設定や、個人向けニュースポーツマッチングインベントの開催・ニュースポーツ練習機会の提供等を行う旨を発表しました。

また、区内企業と連携し、区内企業の既存技術・設備を流用したニュースポーツ製品の開発可能性を検討し、次年度実証において、ピックルボールコートマットの開発を行うことを決定した旨を発表しました。

 

 

<株式会社Styly(実証テーマ:(XRプラットフォーム等の活用による防災行動力向上)>

STYLY – 空間レイヤープラットフォーム

XRプラットフォームStyly(スタイリー)を提供する株式会社Stylyは、XRを活用した防災行動変容ワークショップを開発し、防災訓練への新規層の参画促進、防災意識の向上、継続性ある仕組み作りを検証しました。錦糸中学の生徒に防災に関するXRコンテンツを作成し、墨田区総合防災訓練で発表しました。その結果、地域防災への理解向上や主体的な防災活動への意識向上が見られました。次年度実証では、より地域への防災意識の落とし込みや継続的な仕組み作りを目指し、町会等の地域組織との連携を目指した実証をする旨を発表しました。

 

 

一般社団法人Spice

 

 

株式会社Styly

 

 

株式会社BAKUAGE

 

 

【令和4年度採択事業者】

<株式会社Moff(実証テーマ:健康促進サービスの活用による高齢者の健康増進)>

株式会社Moff(モフ)|ウェアラブル端末とIoTヘルスケア・機能訓練やリハビリアプリ

デジタルでシニアの健康寿命を延伸し、最後まで自分らしく暮らせる社会を目指す株式会社MOFFは、運動習慣につなげる身体機能の見える化に取り組んでいます。実証実験では、千葉大学と連携しアンチエイジング運動プログラムの提供や、区内企業の健康経営イベントと連動した運動能力測定実証を行いました。結果として、参加者の健康意識向上や運動の継続につながり、身体機能改善が見られました。次年度以降は、本実証から得られた知見を活用し、一般シニア向けオンライン運動や企業従業員向けデジタル体力測定サービス等の展開をしていく旨を発表しました。

 

 

<WOTA株式会社(実証テーマ:雨水の活用による資源の再利用の促進)>

WOTA株式会社 l Water Freedom for Everyone,Everywhere

水問題を構造からとらえ解決に挑む株式会社WOTAは、雨水を活用した再生水利用における再生水利用における水量の充足度と水再生循環システムのユーザビリティを検証しました。生活廃水やトイレ排水を再生循環するシステムを搭載したトレーラーハウスを、情報経営イノベーション専門職大学(iU)に設置し、雨水利用やiU生に実際に利用してもらいました。その結果、トレーラーハウス内の水量は常に充足されていたことや、iU生からユーザー体験に関するフィードバックを得ることができました。次年度以降では、本実証で実排水を用いる安定した処理技術や雨水による充足ノウハウを得ることができたため、当該実績を活かしつつ、小規模分散型循環型システムの量産化を目指す旨を発表しました。

 

 

<株式会社うちゅう(実証テーマ:探求コンテンツの活用による児童・生徒のSDGsの関心度向上の推進)>

株式会社うちゅう – うちゅうにむちゅう

自己探求やデザイン思考のオリジナル教材の開発に取り組む株式会社うちゅうは、教員向け探求教育教材・プログラム開発をし、墨田区立小中学校教員に対して当該教材を利用した研修を実施しました。その結果、教員が子供たちの主体的・協働的な探求学習を実施し、正解のない問題に対し探求的な学びを実践できるような教員研修の開発できたことが示された。次年度以降では、本実証で得たフィードバックを基に教員研修のさらなる磨き上げや、サービスラインナップの充実、墨田区モデルの水平展開先候補の探索・営業を行う旨を発表しました。

 

 

<株式会社ABAL(実証テーマ:ヴァーチャル体験による高齢者の特殊詐欺被害防止)>

XR技術でバーチャル空間における「コト」の企画・運営・制作を行うABAL

XR空間におけるヴァーチャルイベントの企画・運営・制作に取り組む株司会者ABALは、昨今多数発生している特殊詐欺を防ぐために、VRを活用した学習コンテンツを開発・提供しました。XRコンテンツの活用により、学習者は当事者意識を持つことが可能になり、高い学習効果を得られるかどうかを検証しました。墨田区区役所を会場に、被験者はVRゴーグルを装着し、360度のVR空間にて詐欺被害に遭うシチュエーションを体験しました。その結果、VR講習前後で詐欺被害のテスト平均点が向上したため、VR講習の有効性が確認された旨を発表しました。

 

 

<株式会社セラピア(実証テーマ:デジタル化による区内中小企業の業務改革)>

株式会社セラピア

現場主導型DX人材育成プログラムを提供する株式会社セラピアは、区内企業に対して自らDXツールを作成可能なデジタル人材を育成プログラムを提供しました。結果として、現場社員が自力でアプリを作成できるようになっただけではなく、社内文化が変わったと感じた社員も増え、中小企業におけるDX化推進に寄与することが証明されました。また、2年間を通じた成果として、DXツール導入に先駆けてDX人材を育成することが、結果としてDX化を成功させる近道であることが示唆されました。次年度以降は、実証で証明した成功モデルを導入した企業を中心に、地域内に波及させる取り組みを他自治体で展開していく旨を発表しました。

 

株式会社Moff

 

株式会社ABAL

 

株式会社セラピア

 

 

 

第2部:交流会

第2部では、登壇事業者がそれぞれのプロダクトやサービスについて交流会参加者により詳細な説明をしたり、参加者からの質問を受け付けたりできる交流会を開催しました。第1部同様に参加者同士の会話が弾み、次年度以降の社会実装や、次年度の実証実験に向けたネットワーキングが行われました。終了予定時間を超過するほど熱量が高い場となりました。

 

 

 

問い合わせ先(事務局)

デロイト トーマツ コンサルティング合同会社 innovation-sumida@tohmatsu.co.jp

 

 

令和7年度プロトタイプ実証実験支援事業公募ページ

(SIC ホームページ)https://sic-sumida.net/news/2025/04/14/20250414/

(墨田区ホームページ)https://www.city.sumida.lg.jp/sangyo_jigyosya/sangyo/monodukuri_sien/2025prototypestart.html

 

 

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