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墨田区×スタートアップ×ものづくり企業による、プロトタイプ実証実験支援事業の成果報告会を開催しました!
26.06.30

墨田区×スタートアップ×ものづくり企業による、プロトタイプ実証実験支援事業の成果報告会を開催しました!

 

区内ものづくり企業とスタートアップが社会課題解決に取り組む「墨田区プロトタイプ実証実験支援事業」に令和6年度・令和7年度に採択された事業者による成果報告会を実施いたしました!

両年度採択事業者ともに、実証実験の成果及び今後の展望について発表をしました。発表後には交流会が行われ、登壇者が発表会出席者へ自社の製品・サービスをPRし交流を深めました。当日は総数100名以上が参加し、参加者からの積極的な質問がなされたり、積極的な交流が行われたりする有意義な会となりました。

 

 

 

第1部:成果発表会

第1部成果発表会の冒頭には、墨田区産業振興課より、SICの概要及び機能説明を行いました。その後、令和6年度採択事業者と令和7年度採択事業者がそれぞれ5分間の発表を行い、コメンテーターからのフィードバック及び参加者からの質問を受けつけました。発表概要は以下の通りです。

 

 

【令和7年度採択事業者】

<株式会社片岡屏風店(実証テーマ:伝統と革新をつなぐ 屏風工房VRツアー×EC連携モデル)>

1946年創業の株式会社片岡屏風店は、若年層や訪日外国人観光客に対して伝統工芸である屏風の魅力や高価格商品の価値が十分に伝わっていないこと、また区内の工房やものづくり企業への導線形成が不十分であることを課題とし、工房・制作工程・ショールームをVR360で体験できる多言語対応のVRツアーを制作しました。実証では、VRツアー内に商品ページ、問い合わせ、購入、来店予約への導線を設計し、国内外への公開、アクセス解析、オンラインアンケート、店舗ヒアリング等を通じて効果を検証しました。その結果、VR視聴者数は1.5か月で10,000PVに達し、96.7%が商品の魅力を理解することにつながりました。また、HOSTELでの展示等を通じて、旅ナカインバウンド誘引の可能性が示唆されました。

次年度は、旅ナカインバウンドへのアプローチの再現性検証や、他の区内事業者の魅力発信を含む周遊促進コンテンツの制作、メタバース空間での展開を進める方針が示されました。

 

 

<株式会社SakuraRide(実証テーマ:ものづくり企業との共創によるフォールディングバイクシェアリングサービスの立ち上げと、墨田区のユニークな資源を活用した回遊性観光振興)>

株式会社SakuraRideは、高品質な折りたたみ自転車を専用ポートとアプリから利用できるフォールディングバイクシェアサービスを展開し、初年度はデモポートの利用データや利用者アンケート、ツアー実施を通じて、事業性と公益性の両面から検証を行いました。実証の結果、車体利用回数は2026年2月時点で目標比200%を達成し、継続利用意欲は89%、バイクの乗り心地に対する高評価は100%となるなど、高品質なユーザー体験と継続利用意向が確認されました。また、利用シーンとして「観光」や「公共交通の補完」に強い活用可能性が見出され、水辺ルートのライドイベントでは満足度92%、点在するスポットを巡るフォトライドでは満足度100%を記録し、墨田区の回遊性向上に資する可能性が示されました。加えて、株式会社ぶんぶくとの共創により、フォールディングバイクシェアのデモ運用を開始できたことも成果として報告されました。次年度は本番ポートの稼働を通じて、持続可能な事業としての収益性や、社会課題解決への本格的な寄与を検証していく方針が示されました。

 

 

<Syncs.Design株式会社(実証テーマ:墨田区におけるゼロウェストを目指すミニマム循環型商品の開発とサービス実装)>

Syncs.Design株式会社は、「土に還す」までをデザインするファッションブランドとして、ファッション・アパレル産業における大量廃棄や高い環境負荷という課題に向き合い、令和7年度は新たな出口戦略として、墨田区内の保育園児向けに“服”を通した教育事業の実証を行いました。実証では、4つの保育園を対象に2025年10月以降、各園3〜4回訪問し、「服の一生」をテーマに、服がどこから生まれてどこへ行くのかを学ぶプログラム、コンポスト体験、観察、クイズ、大切に使う体験等を実施しました。その結果、「服が土に還り新たな命に繋がる流れ」の理解度は80%、「ものや生き物を大切にしたい」という意識は100%、プログラム満足度は4.7、参加率は95%となり、目標値をいずれも上回りました。保育園教育事業として「ふくのいっしょうプログラム」を実装する意義が示され、今後の展開に向けた基盤が整えられました。

 

 

<株式会社MY ROOM(実証テーマ:墨田区の空き家・空き工場を活用した、レンタルスペースによる地域活性化プロジェクト)>

株式会社MY ROOMは、空き家・空き工場などの遊休資産を活用し、地域活性化と区内企業の事業基盤強化を図ることを目的に、①地域資源の可視化と有効活用、②地域の遊休資産の活用モデル構築、③ものづくりを核としたコミュニティ形成と人材・企業の誘致という3つのアプローチで実証を行いました。有限会社東屋との取り組みでは、工場の遊休時間とスペースを活かしたインバウンド向け革製品づくりワークショップの送客スキーム・宿泊施設内でのPR導線・紹介カード、QRコード等の送客ツールを整備しました。その結果、提携10拠点の送客協力意向は100%に至り、体験価格も2,000円の引き上げを達成するなど、インバウンド特化の正当性が確認されました。また、SUMIDA TECNET LABO(略称:STL)との取り組みでは遊休時間・設備を活かした共創型インキュベーション拠点化を目指し、技術交流会を実施した結果、機械・ハードウェア知見を持つ人材との質の高いマッチングや協業検討が生まれました。次年度は自社ものづくり拠点の取得・開設、送客コンバージョンの最大化、利用ハードルの解消に取り組む方針が示されました。

 

 

<株式会社UMIAILE(実証テーマ:小型無人ボートの自律操船による海底地殻変動観測/河川地形図作成)>

株式会社UMIAILEは、小型無人ボートの自律操船による「①海底地殻変動観測」および「②河川地形図作成」を実施しました。

「①海底地殻変動観測」については、自社の軽量・高浮力構造を持つASVを用い、現場投入のしやすさや安定航行性能を活かしながら、海洋・河川観測の効率化と事業化可能性を検証するため伊東港での海底地殻変動観測を実施しました。その結果、地震研究に使用するデータ取得をKPIとした上で、ASV推進器動作中のノイズ下でも正常通信を達成しました。次年度は、「出航→地点巡回→帰還」の連続観測ミッションの完遂を目指す方針が示されました。

「②河川地形図作成」については、小梅橋船着場での河川地形測定を実施しました。その結果約1,940㎡の取得面積で2D/3D河川地形図の出力に成功し、さらに水深・画像のリアルタイム確認や全地点の網羅的データ取得も実現しました。次年度は、複数河川での地形図作成やゴミ回収機構、水質調査の展開を進める方針が示されました。

 

株式会社片岡屏風店

 

株式会社SakuraRide

 

Syncs.Design株式会社

 

株式会社UMIAILE

 

 

 

【令和6年度採択事業者】

<匠技研工業株式会社(実証テーマ:AI等のデジタルツール活用によるものづくり企業の「見積もり」業務のDX推進)>

匠技研工業株式会社は、中小製造業において見積業務が熟練者に属人化しており、見積もり時間の機会損失やデータ蓄積がされないこと、ひいては後継者・新任者への技術継承が難しいという課題を解決するため、オールインワンAI見積支援システム「匠フォース」を展開しています。今回は、特に一品一様で見積自動化が難しい金型製造業における本システムの有効性を、株式会社石井精工とともに検証しました。

その結果、新任担当者による自走見積件数は月平均8.4件、5か月合計42件となり、目標の8倍超を達成しました。また、簡易見積においては作業時間が30〜75%削減され、業務標準化と効率化の可能性が確認されました。

今後は、標準化・効率化を推進しつつ、チャージ計算精度・AI検索精度を高めることで、本モデルを他の金型製造事業所へ展開し、国内約4,300社の後継者不足・属人化問題への解決策として普及を目指す方針が示されました。

 

 

<株式会社ヨシズミプレス(実証テーマ:地域住民と工場の共生を助ける防音プロジェクト)>

株式会社ヨシズミプレスは、製造現場の慢性的な騒音が従業員の健康被害や採用・定着への悪影響、近隣住民との共生課題を生んでいることを背景に、「Sound medical 防音プロジェクト」を推進しました。騒音障害防止の基準では、90dB台では許容作業時間が約2.5時間に短縮されてしまうため、現場で「−3dB以上」の恒常的達成を目標として実証を行いました。

その結果、現場特化のオーダーメイド型防音材は、作業者近傍-1.8dB~-3.6dB・窓近傍-7.1dBの効果を記録しました。また、パーテーションなどの汎用製品型では90.2dBから83.5dBへと-6.7dBの改善を達成し、安全作業時間を約2.5時間から8時間へ伸ばす成果が得られました。

今後は有償展開の開始、導入実績の蓄積、標準パッケージ化、区内外への横展開を進めるとともに、千葉大学との学術連携によりエビデンス強化を図る方針が示されました。

 

 

<株式会社SlowFast(実証テーマ:オリジナル⼦ども靴の開発と子ども靴の墨田区循環モデルの実現)>

子どもの靴の回収・リユースを通じた資源循環モデルの実装を進める株式会社SlowFastは、サーキュラーモデルのオリジナル子ども靴を開発するとともに、寄付回収、クリーニング、リユースの流れの構築を進めるため、墨田区内の保育園、こども園、東武博物館に「くつにゃん」という子ども靴の回収拠点を設置しました。

その結果、資源循環を加速させ循環者を増やすには「正しいこと」よりも「楽しいこと」として参加できる仕掛けが重要であるという示唆を得るとともに、新品購入モデルと比較するとリユースモデルは約80%のCO2削減効果がある定量的な結果も提示されました。(CFP算定)

今後は近隣区をはじめ、全国への自治体へと連携先を広げながら、子ども靴循環モデルの拡大を図る方向性が示されました。

 

 

<合同会社Atelier Ars(実証テーマ:区内企業との共創による、すみだを体現したオリジナルジュエリーの開発・販売)>

合同会社Atelier Arsは、「東京下町想身具店」というブランドで区内ものづくり企業自身がメーカーとなって墨田のストーリーを内包した作品を展開することで、墨田区のまちづくりの課題とものづくり企業の新規事業創出の課題を解決することを目指し実証を行いました。①新規事業創出の可能性②防災・防犯等の社会課題に資するプロダクトの市場受容性③共創型プロダクト開発による区内企業の体質変化/経営基盤強化への寄与可能性を検証しました。その結果、中心となった曲がって割れないゴム製防災笛の改良版では、toB向けのプロダクト導入の達成、次年度に向けた複数団体への提案機会も創出し「①新規事業創出の可能性」「②防災・防犯等の社会課題に資するプロダクトの市場受容性」を確認しました。また共創先の東商ゴム工業株式会社からは社員の育成/活躍/モチベーション向上につながったとの声があり、「③共創型プロダクト開発による区内企業の体質変化/経営基盤強化への寄与可能性」も確認しました。

今後は、東商ゴム工業株式会社とともにブランド全体の推進を進める方針が示されました。

 

<株式会社IGSA(実証テーマ:認知症の予兆検出サービスの開発/精度向上による高齢者福祉の充実)>

株式会社IGSAは、認知症という重要な社会課題の解決を目指し、回復が期待できるMCI(軽度認知障害)の段階で早期に検出を行うサービス「はなしてね」の実証を行いました。

本サービスは、プロトタイプの開発からわずか1年で、より多機能な「脳の健康習慣サービス」へと進化しました。認知機能を「言語」「実行」「注意」「学習・記憶」の4領域で可視化し、その結果に基づいて一人ひとりに最適化されたアクションを提示し、利用者がそのアクションを1〜2分程度、声に出して話しながら実行することで、脳の活性化を促します。

実証実験では、墨田区在住の方々に実際に利用いただきました。その結果、製品としても技術としても、社会実装が十分可能な段階まで到達していることを確認しました。また、プロフィール登録者数は目標の150名を上回る203名、測定実施者数も目標の100名を超える133名を記録し、高い活用ニーズがあることも確認しました。

行政が区民の認知機能の傾向を把握できるダッシュボードの構築・提供まで実現し、今後は個人向けおよび介護事業者向けへの事業展開を進めていく方針が示されました。

 

匠技研工業株式会社

 

株式会社ヨシズミプレス

 

 

 

第2部:交流会

第2部では、登壇事業者がそれぞれのプロダクトやサービスについて交流会参加者により詳細な説明をしたり、参加者からの質問を受け付けたりできる交流会を開催しました。参加者同士の会話が弾み、次年度以降の実証・実装に向けたネットワーキングが行われました。交流会終了後も多くの方が残って議論されており熱量が高い場となりました。

 

 

 

問い合わせ先(事務局)

合同会社デロイト トーマツ

innovation-sumida@tohmatsu.co.jp

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